用語集
インペイント(描き直し)
インペイントは、画像から取り除いた部分を、周囲に合うように埋める技術です。漫画翻訳では、吹き出しを白い箱で覆うのではなく、元の文字を消して、その下のスクリーントーンや背景を描き直すために使われます。
白い箱とインペイントの違い
インペイントは、文字があった場所の絵を、隠すのではなく描き直します。文字を取り除くいちばん簡単な方法は、べた塗りの色で塗りつぶすことです。真っ白な吹き出しならそれで構いません。トーンの入った吹き出し、グラデーション、質感のある背景では、はっきりした跡が残ります。インペイントは、消した文字の周囲のピクセルを見るモデルを使い、線、トーン、模様を延ばして隙間を埋めます。
描き直す必要があるもの
- スクリーントーンの点や線。
- グラデーションややわらかい陰影。
- 文字の後ろを通る背景の線やコマの細部。
- 文字が触れている吹き出しの縁。
しくみをかんたんに
まず、マスクが文字に属するすべてのピクセルに印を付けます。マスクされた部分は未知の領域として扱われ、モデルが周囲の画像から、そこにあるべきものを予測します。よいモデルと同じくらい、よいマスクが重要です。きつすぎるマスクは文字の縁を残し、ゆるすぎるマスクは絵の一部まで消してしまいます。
苦手な場面
描き込みの多い背景はいちばん難しく、大きくて装飾的な効果音はさらに難しくなります。文字の後ろに隠れた絵の部分が多いからです。翻訳そのものが正しくても、古い文字があった場所に、うっすらと跡が見えることがあります。
RuneMangaでの扱い
RuneMangaは元の書き文字を消して下の背景を埋め、訳文を吹き出しに入れます。今のところ埋め方は単純なので、細かいスクリーントーンの上では文字があった跡が見えることがあります。吹き出しの外の文字や効果音はまだ翻訳しないため、消すこともしません。「翻訳」モードでは、カラーのページの色はそのまま残ります。
よくある問題と対処
- トーンの上の薄い跡:今のところ、細かいトーンでは起こりえます。鮮明なスキャンのほうが、埋めるための手がかりが増えます。
- 文字が絵に触れていた場所のにじみ:マスクが絵まで届いています。白い無地の吹き出しで起きたら、そのページを報告してください。
- 古い文字が残っている:吹き出しの外にあった文字か効果音で、描かれたまま残されています。
関連用語
インペイントは、ページをきれいにする方法の一つです。吹き出し検出とOCRのあとに行われ、写植の前にあたります。
インペイントとクリーニングは同じですか?
インペイントはクリーニングの方法の一つです。クリーニングは元の文字を取り除く作業全体で、インペイントはそのうち背景を描き直す部分です。
インペイントでページのほかの部分は変わりますか?
変わらないはずです。埋められるのはマスクされた文字だけで、画像のそれ以外の部分はそのままです。